今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害の後天性」についてです。
大人になってから、実は先天性であるはずの発達障害だったと診断を受ける人が、少なからずいることが明らかになっています。もしかすると、自分も?自分の子供も?身近なあの人も?と心配している方が少なくないかも知れません。
発達障害に後天性の場合があるのだろうか?という疑問も含めて、むやみに心配をつのらせるよりも、正しいことを知って不安をスッキリ解消させるために、ここで確認をしておきましょう。
目次
大人になってから判明する発達障害の特徴とは?
大人になるまで気付かない、気付かれないのはなぜ?
ほとんどが軽度の場合です。
軽度の場合、成績には問題がなかったり、むしろ特定のことでは誰よりも優秀だったりすることがあります。なので、周りも本人も気づかないまま大人になるのです。
そして、社会人になって人間関係が複雑になったり、仕事上で苦手なことが多くなったりすると、うっかりや失敗が目立つことで表面化してきます。
状況的に後天性かのように勘違いされているだけで、実は、先天性の発達障害だったというのが答えです。
症状が出ていたのに、わからない場合もあります。
この場合は、障害とまでは考えられずに、単に能力が低いだけとか、問題児、トラブルメーカーなど厄介者扱いに留まっていると、判明が遅れる要因になっているようです。こういった場合は、イジメの対象になったりして症状が重度化しやすい危険性もあります。
発達障害が疑われる場合には、早めに専門医や専門機関に尋ねるのが良いと言えるでしょう。
診断で発達障害とわかったら?
認定を受けて障害者手帳を入手しましょう。
障害者であることを受け入れて認めるのに、ためらいや嫌悪感を持つ方は多いかも知れません。今までに考えもしなかったなら、尚更のことでしょう。
しかし、最近は自ら公表している著名人も多く見受けられますので、案外、恥ずかしがることでは無くなってきているようにも感じられます。
手帳を提示することで得られるメリットなどがありますので、申請時にはよく説明を受けて知っておきましょう。
症状を確認、把握、認識しましょう。
発達障害には、いくつかの分類があります。症状は似ていたりしますが、医師の診断を元に実際に当てはまる症状を確認、把握し、認識しておくことが効果的な対処法にもつながります。
分類別の主な症状
ASD(自閉スペクトラム症)
- たとえ言葉や話などが理解できず、言葉そのものを鵜呑みにする。冗談が通じない。
- 人との距離感が変に近かったり、拒絶的だったり一方的で独特。空気が読めない。
- こだわりが強く、好きなことは止まらなくなったり、ルーティーンや崩したくない順番があったりする。
- 過去の記憶力は良く、嫌な事などがフラッシュバックして情緒不安定になることもある。
- 未来を想像することは苦手で、予定を立てる計画や管理が苦手。約束や期限を守れない。
- フィルター機能が未熟で、音や光などの感覚に過敏に反応したり、パニックになる。
- 複数のことを同時進行で行うことが苦手。
- 相手の立場に立って考えることが苦手。人の話を聞くのも、人と連携することも苦手。
ADHD(注意欠如・多動性障害)
- 考えや動きに落ち着きがない、気が散り飽きっぽく集中できない。長続きしない。
- 思い付いたことを、すぐにやってしまいがち。空気が読めない。
- 忘れ物やミスを多発する。
- 部屋の片づけが下手。
LD(学習障害)
知能の遅れはなく、視覚や聴覚に機能障害などもないにも関わらず、聞く、話す、読む、書く、計算、推論など、特定の学習分野に困難が生じる障害です。
- 読解障害(ディスレクシア)
- 書取障害(ディスグラフィア)
- 数学障害(ディスカリキュリア)など。
対処法について
症状を把握し、対策を考えましょう。
- 出やすい症状に対して、注意事項を書いたメモや手帳などを常に携帯して確認、意識しましょう。
- タスク管理も確認事項を表にして掲示したり、メモや付箋、手帳などを活用してチェックしましょう。
- 使えるなら、PCやタブレット、スマホなどのデジタルデバイスで管理できれば、なお便利でしょう。
- 周りの人に理解を求めて、サポート協力をお願いしましょう。
専門機関を活用しましょう。
大人の場合、自己責任の立場から一人で悩みがちですが、助けとなる専門機関を有効活用しましょう。受けられるアドバイスや情報は、大きな助けとなるはずです。
主な専門機関
- 発達障害者支援センター
発達障害者支援センターは、発達障害を持つ人や関わる人、不安を抱える人などに、情報提供や支援を総合的に行う専門的機関です。相談や医療機関の紹介、就業のサポートなどの対応を行なっており、全国に展開しています。
- 障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターは、仕事や就業するうえでの悩みや相談から生活面まで、一貫してサポートをしてくれる支援機関です。やはり全国に展開しています。
全国に展開している支援機関ですが、各機関によって支援内容は異なる場合があります。相談する前に上記リンクから支援機関をご確認下さい。
仕事について
まずもっての基本は、卑屈にならず自信を持ちましょう。大人になるまでわからなかったほど軽度だったのなら、特に悪い方へは大きく変わる要素が無いと言えるでしょう。これから就活するのなら障害者雇用でも、できる仕事はたくさんあります。サポートしてくれる専門機関もあります。
出来る事から可能性を探りましょう。
強みや出来ることを活かせる仕事が望ましいでしょう。上記で紹介した支援機関などを活用し、自身に向いている・自身で出来る職種や内容を見つけていきましょう。
- 規則性があって、深い専門性が求められる仕事:研究者や学者、教師など。
- 繊細かつ持続的な集中力を必要とす仕事:プログラマーやSE、カメラマンなど。
- 緻密で膨大なデータを扱う仕事:法務や財務、税理士、経理士など
- 単調で長期的な、忍耐力が必要とされる仕事:調理師、整備士、技工士、技師など。
- 自主的に動き回れる行動力、企画力を伴う仕事:企画開発、経営、作家など。
- ひらめきやアイデアが認められる仕事:アーティスト、イラストレーター、アニメーターなど。
- 積極的なコミュニケーション力を活かせる仕事:営業職、講師など。
- 流行に敏感なことや、強い感受性や共感力を活かせる仕事:デザイナー、スタイリストなど
- 頭の回転の早さやを活かせる仕事:分析、解析など。
特定の作業に困難が生じるものですが、情報の処理や整理に時間が必要だったり、理解できなかったりとする場合があります。
文字ならば、成り立ちから説明したり、読める字から組み合わせの単語を増やしたり、単語から引用した文章につなげたりといった、少しずづのステップアップが効果的です。
デジタルデバイスを活用して、読み上げ機能をつかったり、手書きより早く文書作成したりすることも、苦手をカバーする手段になります。 個人のみの対応ではなく、「企業側の配慮」は勿論必要です。障害を抱えた人が働きやすい環境を提供することも重要になります。
発達障害を抱えると仕事ができない?
発達障害を抱えた人の場合、症状の重さによっても異なりますが、仕事が出来ないわけではありません。ですが、周囲から得る情報の処理が曖昧なので、周囲と同じように支持を受けても対応出来ない場合が考えられます。
また、職場での対応について解説している動画がありましたので、こちらでご紹介します。よければ参考にご覧ください。
まとめ
- 発達障害は先天性の障害であり、後天性ではありません。
- 症状の性格上、軽度の場合においては大人になってから、支障をきたして認識・発見されることがあります。それは、あたかも後天性のケースがあるような誤解を生む場合もあるようです。
- 障害者認定を受け、障害者手帳を入手することで受けられるメリットがあります。
- 成功者として名の知れた多くの著名人が、自ら障害を公表しており話題となっています。
- 障害は病気ではないので治すことは難しいですが、正しい理解と対応により問題なく生活することは、いくらでも可能です。
症状の程度の差はあれども、恐れず臆せず堂々と自己実現を目指す人生を歩まれますように。 また、環境も理解と支援を持って、障害者を育める世の中になるように願って止みません。