今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所となることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害とタブレット学習」についてです。
発達障害のあるお子さんにとって学習環境は、その症状の特徴ゆえに難しい場面が多いものです。
昨今は、教育現場でも従来の板書や教科書、筆記用具での学習スタイルに代わってデジタルデバイス、つまりPCやタブレットなどを導入した新しい学習スタイルが浸透してきています。
タブレット学習は、今までには得られなかったメリットと学習効果をもたらしているようです。
今回はタブレット学習のメリット・デメリットと発達障害との相性も含めて、その内容を見ていきましょう。
目次
発達障害児とタブレット学習の相性は〇!
従来の勉強法と発達障害
従来の学習スタイルは永らく、一人の指導者が教科書の内容を、板書や印刷資料などを併用しながら口頭で説明し、多数の生徒が筆記用具で、板書や口頭での説明や自分の考えなどを書き写すスタイルでした。
発達障害が抱える症状からすると、その方法はとても不利な場合が多々ありました。
それは、次のようなものです。
- 情報処理能力が、全体の学習の進行速度に付いて行けない。
- 目と手の協調運動が悪く、速く上手く字が書けない。
- 不器用さが災いして、物事を上手に整理・処理できない。
- 板書で見た物を、書き写し終わるまで記憶していられない。
- 板書もノートも目を離すと、見ていた場所を見失ってしまう。
- 文字や図形などを正しく認識できない。
- 特定の関心ごと以外には興味を持てない。
- 板書や周りの筆記の音や、外の光などが気になって落ち着けない。
- 途中で集中力が途切れてしまう。
- 感覚過敏の影響で授業に集中できない。
視覚、聴覚といった人間にある五感、これに敏感に反応してしまい、生活に支障が生じる状態をいいます。感覚過敏の関連記事は、コチラ
基本は、マンツーマンでの指導が好ましく、内容の進行速度も理解・習得の個人差に合わせる必要があります。全体授業スタイルでは、難しいですね。
特に学習障害(LD)の子には相性がいいかもしれません。学習障害については下記の記事を参考にしてください。
デジタル革命と新しい学習スタイル
現代の、インターネットやデジタルデバイスの登場と進化によって、学習においても革命的な変化が起こっています。
ICT (Information and Communication Technorogy) =情報通信技術を導入することによって、今までにはできなかったことを円滑に行えるようになりました。
指導者は、プロジェクターやデジタルホワイトボードなどで、画像資料や検索画面、動画コンテンツ、TV通信映像など、あらゆるものを前面に表示できます。
生徒たちは、手元のモニターやタブレット画面で同じものを同時に見れます。
データの共有だけでなく、検索や集計・資料作成なども容易に可能です。
タブレット学習のメリット
全体学習だけでなく、マンツーマンの個人学習が必要な発達障害においても、デジタル革命は不可能を可能にしました。
特に、タブレットを活用することにより、指導者を必要としない、自宅での個人学習が可能となりました。そのメリットは次のようなものです。
独自のペースで学習できる
学習プログラムや学習アプリなど、これらのコンテンツで構築されたステップごとの項目によって、学習が進められます。学習速度も、内容を習得するスピードに応じて進行しますので、気にする必要がありません。
内容も学年縛りには関係なく、理解が抜けている場合でも項目的にさかのぼった「振り返り学習」や、忘れる頃にする「繰り返し学習」なども組み込まれていたりします。
飽きさせない工夫が盛り込まれている
コンテンツは発達障害の専門家が監修している場合も多く、集中力が続くように飽きさせず、興味を引く食い付きの良い、効果的な構成が盛り込まれています。
堅苦しい講師ではなく、アニメキャラがガイド役だったり、声は声優を起用していたり、楽し気な音楽や様々な音や映像のエフェクトが用いられています。
傍に指導者が居なくても、学習を続けられるような工夫がされています。
指で直接入力できる
タッチパネルなので、直接に指先で書けます。
手でペンなどの道具を上手く使えない場合でも、比較的スムーズに入力できます。
選択ボタンや文字なども、表示の設定やスワイプ機能などで簡単に大きくできたりするので、認識や操作で困ることがありません。
リアルタイムに反応する
ミスに対しての警告や修正が、音や色などのエフェクトにより、的確に効果的に瞬時に行われます。
リアルタイムに指導されるので、忘れることも見失うことも、混乱することもありません。
合否判定や採点が速い
その場で合否が表示されたり、採点も瞬時に成されて、賞賛や励ましのコメントも、次の指示なども淀みなくスムーズに続くので、間が空いたり待たされたりすることもなくて、効果的です。
間が空くことで忘れてしまったり、集中が途切れたりすることが起こりにくい構成になっています。
タブレット1台で完結
幾つもの科目でも、それぞれに膨大な数のテキストの内容も、資料も、データも何から何まで、すべてタブレット1台に集約されています。
教科や項目の切り替えは一瞬ですし、重い教材を持ち歩くこともありません。準備も片付けも不要です。
ネット環境さえあれば、いつでもどこでも学習できます。
タブレット学習の注意点
上記の通りメリットがたくさんあるタブレット学習ですが、注意すべき点が大きく3つあります。
- アプリ選択(質のいいアプリを探そう)
- 体への負担(ブルーライト、姿勢)
- タブレットへ任せきりにしない
それでは、それぞれ解説していきます。
アプリ選びは慎重に
学習内容はアプリの質の良し悪しに依存しますので、アプリの選択は慎重に吟味したいものですね。
アプリには無料と有料があります。
無料アプリ5選
無料のものは低学年向けや、教科の中の項目ごとの単体があります。
中には総合的なのもありますが、少ないようです。
そして、基本的に学習サポートなどはありません。
- 足し算引き算
- かけ算九九
- 小学1年算数ドリル
- 小学生手書き漢字ドリル
- 思考力が身に付く、図形、立体パズル、迷路
- 小学1年~中学3年、5教科アニメ学習
無料アプリ紹介
小学1~6年生の漢字が、手書きで学べるアプリです。TVでも紹介されました。
手書きで学べる、小学1~6年生で習う計算学習アプリです。デジタルの表彰状やシールがもらえる機能があります。
小学3年の理科学習アプリです。4択クイズ形式のアニメで、ご褒美にモンスターを集めます。
幅広いテーマで学べる、小学社会科学習アプリです。イラストタッチで解説が次々と出てきます。
ゲームで本格英語が身に付きます。単語から英検・TOEIC・センター問題まで網羅しています。小学生から大人まで楽しめるアプリです。
有料アプリ
有料のものは、有名な学習塾や通信教育の企業体などが提供しているものが多くあります。
学習面のサポートが手厚く、質問や相談もメールやチャットなどで気軽にできるなどのサービスが充実しています。
定期的なテストや講習などのオプションも充実しています。
苦手な項目など、学習の習得具合をデータ解析して確認・自己管理できる機能を備えていたり、機能面でも優れています。
また、学習面以外でも、息抜きにちょうど良いゲームや、チャットや掲示板などのSNS機能を盛り込んでいるところもあったりします。
有料とはいえ、一般的で安い塾の1教科分の費用で数教科が履修できる価格相場なので、割安でお得だと言えるでしょう。
有料アプリ紹介:公式ページリンク
ブルーライトと姿勢にはご注意を!
VDT症候群(Visual Display Terminal Syndrome)とは、パソコンやタブレットやスマホの画面を長い時間、見続けることで目に悪影響が出てしまう症状のことをいいます。
眼精疲労による症状
ブルーライトによる影響は分かっていませんが、VDT症候群で眼精疲労になる可能性があります。
主な理由は、瞬きが少なくなることや、視線が小刻みに激しく動かされたり、逆に同じ個所を見つめ続けることで起こる目の疲れによると言われています。
- 肩や腕こり、痛み
- 頭痛やめまい
- 集中力の低下
- 吐き気
- 手先のしびれ
- ドライアイ
- 視力の低下
精神的影響
VDT症候群になると精神的にも強いストレスになり、下記の症状が出る場合があります。
- 不眠症
- ノイローゼ
スマホ首(ストレートネック)
スマホ首=ストレートネックとは、うつむいた悪い姿勢を長く続けたために、カーブしているべき頸椎が真っ直ぐになったしまったり、猫背になってしまうことで起きる症状のことです。
症状は、VDT症候群とほぼ同じで、身体的にも精神的にも同様の症状が出ます。重々、気を付けましょう。
対応策
- 連続してタブレットを使用する制限時間を決める。
- きちんとインターバル=合間の休息時間を取る。
- 首や肩周りのストレッチ
- 目の周りのマッサージ
- ネックピローや首に良い枕などを使う。
- 疲労回復や目に良いサプリなどを使う。
タブレットに任せきりにしない
タブレット学習は集中しやすく飽きにくく作られいます。親や指導者の手から離れるのは良い点ですが、学習している子供を気にかけておくことが必要です。
学習の進行具合や感想などを、コミュニケーションを通じて成長を共有・把握して、共感を持ってあげることも忘れないようにしましょう、
アレッタのご紹介
放課後デイサービス アレッタは横浜市を拠点とし、子どもたちの自立や健全な育成のために、障害児と保護者をサポートしています。
「自分の意思で行動する子」を育てようと、指導員はキッカケを与える助け手として接しながら、子供たち自らが選択し、学べる環境を提供しています。
「自分でできる」という自信を持たせ、将来に安心して暮らせるようになるための創意工夫を込めたお手伝いをしていますので、是非上記リンクよりご覧ください。
まとめ
今回は「発達障害とタブレット学習」について、以下の内容でご紹介しました。
1.発達障害児とタブレット学習の相性は〇!
2.タブレット学習のメリット
3.タブレット学習の注意点
4.アレッタのご紹介
発達障害のあるお子さんにとって、従来の紙媒体と筆記用具を用いての学習スタイルでは不利なことが多々ありました。
タブレット学習は文字の読み書きや視覚面でのサポートができる有効なツールです。
子どもの成長に新たな可能性を与えられるのなら、タブレット学習という新たなスタイルを導入してみてはいかがでしょうか?