今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なるとを願って投稿させて頂きます。
今回のトピックスは、発達障害と優先順位についてです。
私たちは毎日色々やることが沢山ある中、優先順位をつけながら生活しています。主婦業にしても仕事でも、「これを終わらせてから、次はあれをやって・・」と考えながら生活していますよね。
またお子さんに「今そんなことやってないで!こっちが先でしょ?」と先にやらなければいけないことを、日々うながしたりもしているかもしれませんね。
発達障害の人の中には、優先順位をつけるのが苦手な人がいます。この優先順位というのは、自然につけられる人もいれば、難しい人もいるようです。
今回は優先順位を付けるということ、優先順位をつけることが苦手な人はどのようにすれば、日々をうまくおくっていけるのかを一緒に考えていきたいと思います。
目次
優先順位をつけるのが苦手なわけ
発達障害の人は、優先順位をつけるのが苦手な人が多いと言われていますが、その理由をみていきたいと思います。
優先順位がつけられず困ることって?
優先順位というのは、どういう時に必要でしょうか?1日のうちにやらなければいけない事を、順番にとりあえずやっていけばいいんじゃないかな?と思われる人もいるでしょう。
発達障害の特性ゆえに優先順位をつけられず、困っている人のツイートを見てみましょう。
優先順位をつけられないと、やらなければいけない事を終わらせることができず、後回しになってしまいます。そうすると結局は期限内に仕事を終わらせることができずに、周りに迷惑をかけてしまうことになります。
生活していく上では、「やりたいこと」「やらなければいけないこと」が誰にでもあるのですが、物事には期限があることが多いため、自分なりに優先順位をつけて取り組んでいくことが大切です。
小さい子どもほど優先順位をつけられないので、親が「これを先にやってね」など声をかけることが多いと思います。段々と経験を積んでいき、優先順位を決めていけるようになります。
しかし発達障害を持つ人は大人になっても優先順位をつけることが身につかず、困ったり悩んでいる人も多いようです。
発達障害の特性に関わるもの
段取りが苦手で、気が散りやすい
優先順位をつけられないのは、発達障害の特性が大きく関わってきます。発達障害の一つであるADHDについて、みてみましょう。
注意欠如・多動性障害(ADHD)
小学生を例にとると、多動‐衝動性の症状には、座っていても手足をもじもじする、席を離れる、おとなしく遊ぶことが難しい、じっとしていられずいつも活動する、しゃべりすぎる、順番を待つのが難しい、他人の会話やゲームに割り込む、などがあります。
不注意の症状には、学校の勉強でうっかりミスが多い、課題や遊びなどの活動に集中し続けることができない、話しかけられていても聞いていないように見える、やるべきことを最後までやりとげない、課題や作業の段取りが下手、整理整頓が苦手、宿題のように集中力が必要なことを避ける、忘れ物や紛失が多い、気が散りやすい、などがあります。
引用元:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス
ADHDの「課題や作業の段取りが苦手」「気が散りやすい」という特性から、物事の優先順位をつけ、課題や仕事をこなしていくことが難しくなってしまうのです。
セルフコントロールが弱い
発達障害の人が物事を計画的に進めるのが苦手なのは、「セルフコントロール」の機能が弱いことが一つの原因と言われています。
セルフコントロールというのは、目先の要求を先のことを考えて抑制する機能です。発達障害の人はこの機能が弱いことで、やりやすいものから先に手につけてしまい、最後にやりたくない事が残ってしまうという結果になってしまいます。
誰でも大変なことは後回しにしたい、楽なことをやりたいという意識はありますが、その要求が抑えられないのが発達障害の特徴です。
ワーキングメモリが低い
脳の中には、ワーキングメモリという機能があり「短期記憶」ともよばれています。注意や意識を続けたり、耳で聞いたことを処理して記憶する力のことを言います。
ワーキングメモリの大きさや機能は、成長に伴い発達していきますが、その発達と大きさは人それぞれ違います。一般的に発達障害を持つ人はワーキングメモリが低いため、記憶できる情報量が少ないとされています。
言われたことを忘れてしまったり、いくつもの内容を覚えていることができないので、結果物事の優先順位がつけられなくなってしまいます。
優先順位をつけられる工夫をしよう
優先順位が分からない、付けるのが苦手な発達障害の人は、どうすればいいのでしょうか。いくつかの工夫をしてみることで、やらなければならない事を1つ1つ片付けることができます。
またお子さんには、親御さんが一緒に優先順位について考え、促してあげることも大切です。
優先順位の意味を教え、一緒に考える
優先順位をつける前に、一番今やらなければならないこと、大切なことは何かということを考えさせましょう。
例えば宿題がいくつか出ているとします。その中でどれからやらないといけないのかと考えた時、「いつまでが提出なのかという期限」「かかる時間」「重要度」をそれぞれの宿題について考えさせます。
期限や重要度、時間を考えれば、自然と一番先にやらなくてはいけないことが分かります。
発達障害の人や子どもは、時間の概念や物事を整理して考えるということが苦手なので、身近にいる人がフォローしてあげることで、物事に取り掛かりやすくなります。
紙に書きだしたり表を作成する
発達障害の人は、一度決まったことも忘れてしまいやすい特性を持っています。せっかく優先順位を決めても、いざ取り掛かろうとする時に分からなくなってしまったら元も子もありません。
優先順位を決めたら、紙に書きだしましょう。一番から順に符号をふっておき、見えるところに置いておきます。こうすることで頭にも入りやすくなり、忘れても見返すことができます。
発達障害の人は耳から聞くよりも、目で見た方が覚えやすいという傾向があります。目で見える形に優先順位を示しておくことは、有効な方法です。
1日、1週間の計画表には、かかる時間の目安を入れてみたり、時間割のようにしてみるのも良いでしょう。
目標設定とモニタリングを行う
この動画の内容について下記にまとめました。
優先順位をつける時には、「目標設定」を行うことが大切です。目標とうのは、ゴールをイメージすることです。目標が決まったら、約束や宣言をすると効果的です。
次に「モニタリング」を行います。
モニタリングとは設定した目標と、現在の差を認識することです。目標と今の自分を見直すことで、今なにを優先的に行えばいいかということが分かってきます。
この目標設定とモニタリングで衝動を抑えやすくなり、自ら優先順位を付けられるようになります。
お子さんには、「今この作業は何のためにやっているのか」という事を確認し意識させましょう。例えやりたくない事でも、目的とゴールがはっきりすれば、自制心も段々生まれてきます。
家族や周りの人の支援も大切
発達障害を持つお子さんを育てていくのには、家族や周りの支援が重要になります。
子どものできたところを認めて褒める
発達障害を持つお子さんを育てていると、ついできないところが目についてしまったり、何とかしなければと焦る気持ちから、強く叱ってしまうこともあるかもしれません。
発達障害で一番気を付けなくてはならないのは、二次障害です。注意されたり叱られてばかりだと、自己肯定感が低くなります。その結果自分をダメな人間だと思い込み、周りの人とトラブルを起こしたり、精神的に不安定になってしまいます。
そして、ひきこもりや不安障害などの二次障害を起こしてしまうことがあるのです。
お子さんが何かをできた、頑張った時には褒めてあげてください。宿題を最後までやれた、自分で明日の学校の準備ができたなど、何でも良いのです。少し足りないところが見えても、指摘しないよう褒めることに専念してください。
褒められたお子さんは自己肯定感が上がります。自己肯定感が高い人ほど幸福度を感じ、明日を頑張る力が湧いてきます。
施設紹介
発達障害のお子さんを育てている親御さんは、日々子育てに悩んだり様々な工夫をされている方が多いのではないかと思います。
親だからこそ分かることもあり、悩みも尽きないのですが、他の人からのアドバイスが良いヒントになることがあります。
放課後等児童デイサービス「アレッタ」 は、子どもたちの未来に選択肢が増えるように導き、手助けをしてくれる施設です。
子どもにとって過ごしやすく学びの場になり、また放課後預りをしてくれるので、親御さんにとっても息抜きできる時間を作ることができます。ぜひ利用してみてくださいね。
まとめ
発達障害の人が優先順位をつける難しさの理由と、優先順位を付ける工夫や意識付けについてみてきました。
優先順位を付けられるようになると、1日を気持ちよく過ごせたり自信にもつながります。一人では難しいところは、家族や周りの人も手助けし声をかけてあげましょう。
発達障害で悩んでいる人も、少しの工夫やきっかけ、周りのサポートでできるようになる事がたくさんあります。
少しずつ前に進んでいきましょう。