今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害の子供の目の動き」についてです。
「写真撮るよ。はい。チーズ。」
子供ってかわいらしい表情を取りたいと思っても、なぜか変な顔をすることありませんか?
親を笑わせようとして面白い顔をしたり、白目になったり目を話してみたり。
でもテレビを見ている時に顔を横に向けて、横目で見ていたらどうでしょう。
最初は遊んでるのかなって思っても、いつもそうだと心配になってきますよね。何してるんだろうって。
発達障害の子供たちには、目の動きに特徴があるということが分かってきたようです。
目次
視線が伝えるメッセージ
「人の話を聞くときはきちんと相手の目を見て」と言われて育った方は、多いのではないでしょうか。「目は口ほどにものを言う」という言葉もあります。
話している時に、目が合わないと相手にどんなメッセージを伝えるのでしょうか。
- 話を聞いてないのかな?
- 興味ないのかな?
- 何か隠してる?
- 何か他のことを考えてる?
話しているとき、ずっと目を見つめられたらいかがですか?どんなメッセージを伝えるのでしょうか。
- 顔に何かついてる?
- 何か言いたいことがあるの?
- もしかして怒ってる?
とっても残念ですよね。
せっかく仲良くなりたいと思っていても、お友達ができにくくなってしまいますよね。コミュニケーションって、「言葉」だけではなく「視線」も大切なんですよね。
見えるってどういうこと?
「ものが見える」とはどういうことなのでしょうか?
目で見た情報を、脳で判断する必要があります。
赤いリンゴを見た時はどうでしょう。目から入った情報が、ビューンと脳に伝わって脳が「これは赤いリンゴだ。美味しそう。」と判断できるということなんですね。
でも、何か考え事をしてぼーっと見ていたらどうでしょう?
テレビで何をやっていたのか全く覚えてないってことありませんか?「見る」って、心の状態も関係しているってことなんですね。
発達障害の特徴ー目の動きー
発達障害では?と思うポイントはいろいろあると思います。
1歳検診・1歳半検診・3歳検診等でなにか指摘されて気づくこともあるでしょう。
でも小さい子供の成長は個人差がありますので、この特徴があるから必ず「発達障害」だとはかぎりませんよね。大きくなったら、全く気にならなくなるということもあります。
視線が合わない
かわいい顔を前から見てお話したいのに、視線が合わないなんてさみしいですよね。「私のこときらいなのかな」って心配になったりしますよね。
自閉症だと診断された子供の特徴として、「小さいころそういえば目が合わなかったな」という方が多いようです。
キョロキョロする
落ち着きなくキョロキョロしている子もいますよね。目の前で何かが動くとつい、目で追ってしまうんですね。
関心が次から次にうつっていくんでしょうね。色んな事に興味を持つという、プラスの面でもあります。
ただ話している時にキョロキョロすると、「話を聞いていないのでは?」と思われてしまうかもしれませんね。
どこを見ているのか分からない
顔を見て話しているのに、視線がおかしい。どこを見ているんだろう?と思われることがあります。
視線をどこに置いたらいいのか良く分からない、人との距離感が分からないということが原因かもしれません。
横目になる
顔は正面を向いているのに、目だけ横に向けて物を見るってことはありませんか?
本人は見え方の変化を楽しんでいる場合もあるみたいですよ。似たような感じで、手のひらを並べてその隙間からの景色を楽しむ子もいるようです。なかなか独特ですけれど。
あるいはテレビを正面から見るのではなく横目で見たりするようですね。こんな遊びをすることもあるようですよ。
目の動きが関係するその他の特徴
情報処理が苦手
発達障害の場合、視覚・触覚などの感覚が過敏であるという特徴もあります。色んな情報を一度に処理するのが難しいと感じることもあります。
沢山の人がいるところに行くと、目からの情報、耳から入ってくる音、においといった情報に圧倒されて疲れてしまう事もあります。
そういった場合、耳から入ってくる情報を優先する為に、目をそらしたりすることもあるようです。
運動が苦手
発達障害の子供は運動が苦手だとも言われています。キャッチボールが苦手だったり、ケンケンパッが出来ない子もいるんですね。
ボールが飛んでくるスピードや距離感がうまくつかめないんでしょうね。
眼球の動きが上手くいかなくて、飛んでくるボールに追いつかないこともあるようです。
文章を読むのが苦手
お話は上手なのに、「ここを読んでみて」というと読むのが難しいという事もあるようです。
文章を読むときに手で字を押さえていかないと、自分がどこを読んでいるのかわからなくなることがあります。同じ文字を2回読んだり、飛ばして読んでしまったりもします。
目の動きって読むことにも影響するんですね。
字を書くのが苦手
目で見て形を理解して、字として書きますよね。目の動きにハンディがあると、形を正確に写すことが出来なくて左右反対になったりしてしまいます。
さらに先生が黒板に書いた文字をノートに写す時には、「暗記する」という能力も求められます。
黒板を見て、文章を覚え、ノートに写す。普段意識していませんが、実は体の色んな能力を発揮しているという事なんですね。
目の動きから発達障害が分かる?
発達障害は様々な特徴がありますが、非常に個人差が大きいのも特徴です。
ADHDの方は一般に「じっとしているのが苦手。順番待ちが出来ない。」のが特徴だと言われます。しかし、実際には列に並んでおとなしく待っていることが出来る子もいるのです。
また外見では分からないことも多く、コミュニケーション能力が高い社交的な方の場合は何度かお会いしても分からないこともあります。
発達障害は「脳」の機能障害だと言われています。早めに発見して、苦手なことを少なくしていくトレーニングを始めることが進められています。ですが小さいときには発見されず、社会人になって働きだしてから急に社会生活に違和感を覚え受診したところ、「発達障害だと分かった」というケースも少なくないのです。
そんな中、2015年に大阪大学が興味深い研究を発表しています。
目の動きを観察することによって、「早期発見が出来る!」というものです。
人や物を見る際の目の動きが独特である、という点に着目し研究がなされています。
参照:眼球運動のわずかな異常から発達障害を早期に診断できる手法を開発
すでに実現に向け企業との共同開発が始まっているようです。
実現すればより早期の発見が可能になり、社会での「生活しにくさ」を埋めるトレーニングを始めやすくなるでしょう!
効果的なトレーニングってあるの?
ビジョントレーニング
みなさんはビジョントレーニングという言葉をお聞きになったことはありますか?
目と脳を同時に鍛えるトレーニングです。目で見えた情報を正確に早く認識し、行動できるようになるということです。
最近はスポーツ選手が、自分のパフォーマンス向上のために取り入れることも多いようです。動体視力・眼球運動・ピント調節機能が強化されるなど、目も鍛えれば機能が上がるということですね。
検索するとネットで出来るトレーニングが沢山ありますよ。まずは初級編を試してみましょう!
目の感覚が鍛えられたら、出来なかった色んな事が出来るようになるかもしれませんね。
キャッチボールやケンケンをしたり、みんなでドッチボールして遊べるかもしれませんよ。上手に字を書けるようになると嬉しいですよね。
デイサービス
デイサービスでは楽しく苦手なことを克服する訓練をしているところもあります。上手に利用できるといいですね。
放課後等デイサービス・アレッタでは、心身に障害のある小学校1年生〜高校3年生までの児童を対象にサービスを行っています。
おまけ
目をつぶって片足立ち。何秒できますか?
発達障害の検査で片足立ちをすることもあるようです。
でも、発達障害には関係なく20秒以上出来なかったら、脳に問題がある可能性があると指摘されるようです。認知症のリスクが高いともいわれるようですね。
その場合は移行感覚・バランス感覚を養う運動をすれば、改善していくようですよ。鍛えることができるってうれしいですね。
参照:日本健康運動研究所
ビジョントレーニングも片足立ちも遊び感覚で一緒に楽しくできるといいですね。
まとめ
毎日生活している中で、目の働きって本当に大きいんですね。普段意識することは少ないですが、実はいろんな機能を使っているってことですよね。
目は脳の一部と言われるようです。発達障害は「脳」の機能障害と言われますので、目の働きにも影響があるというのは納得できます。
目の動きから早期「発見」ができて、訓練によって出来ない事ができるようになると、毎日の生活をもっと楽しめるようになると思います。
イキイキして「やったね。できたね。」と言える機会が増えますように。
ご拝読いただきありがとうございました。