今日も皆さんと一緒に、発達障害等に関する学びや情報交換の場所となることを願って投稿させて頂きます。 今日のトピックは「発達障害とマッサージ」についてです。
しばらく前に、マッサージ屋さんがものすごく増えました。チェーン展開しているところも見受けられました。
これも高齢化社会の影響なのか?それともストレス社会でお疲れ様な方々が増えたのでしょうか?などと考えてしまいます。
マッサージが心地良く、健康に効果的なのは周知の事実ですが、発達障害にも効果があるのでしょうか?
もしそうなら、知らないと損をすることになるので、確認をしてみましょう。
目次
マッサージの効果
身体面への効果
自律神経のバランス改善
自律神経には交感神経と副交感神経があります。起きているときは交感神経がよく働き、リラックスしているときや寝ているときには、副交感神経が働きます。
この二つのバランスが崩れると、頭痛、めまい、吐き気、冷や汗、不眠、だるさ、不安感、イライラ、鬱症状など、多様な症状が出て来るのです。
ストレの多い現代社会では、交感神経優位になりやすいのですが、マッサージを受けるとリラックス状態になり、副交感神経が活発になると言われています。
眠りも安定するので、体がしっかりやすまって体調も改善されるでしょう。
免疫力の向上
免疫とは体を守る防御作用のことです。マクロファージやB細胞・T細胞・NK細胞というリンパ球などがあります。細菌やウイルスによる病気にならぬように退治したり、ガン細胞のような体内の異常にも対処します。
マッサージには、この免疫に関する細胞を増やす働きがあることがわかっており、風邪などもひきにくくなります。
血行やリンパの流れを改善
血液は細胞に酸素や栄養などを届けます。リンパの働きは細胞からの余分な水分や老廃物の回収と免疫系です。リンパの流れが悪いとむくみます。
マッサージは血行を良くし、一時的に血管を広げ、血圧は下がり、体温が上がります。
特にリンパは筋肉の動きや、外からの物理的な刺激がなければなかなか流れないので、マッサージで筋肉を動かし、リンパ液を流してあげることは効果が大きいのです。
筋肉をほぐし疲労を回復
筋肉が固くなるコリは、血行不良で老廃物が出せずに溜まっていたり、傷付いて炎症を起こしていたりする状態です。
特に炎症は、そのまま筋肉を使い続けると線維化して動きが悪くなることがあります。線維化すると自然には元に戻りません。
マッサージで筋肉をほぐすことは、血行を促し老廃物を流すことで、疲労回復を促進することであると同時に、線維化を防ぐことにもなります。
ダイエット効果
マッサージにより、老廃物とともに余分な脂肪や水分が体外に排出されます。それと同時に、内臓への刺激で汗・尿・便などの排泄も、促進されたりスムーズになることで、ダイエットにもつながる良い効果が期待できます。
精神面への効果
リラックス効果とストレス解消
ストレスを受けると、コルチゾールという副腎皮質ホルモンが増えます。
マッサージを受けると、このコルチゾールが減ることがわかっています。そして、癒しや幸せのホルモンと言われる、セロトニンやオキシトシンの分泌が高まります。
筋肉のコリと共に緊張を解き、血流促進と伴う体温上昇で、全身にたっぷりと暖かい血液が回り、脳にはアルファー波が発生します。
これは、身体が心地良くなることにより、精神的にも深くリラックスできていることを示し、ストレスの解消となっている証明なのです。
精神の安定
リラックスしてストレス解消することにより、日々の精神状態も安定して気持ちにゆとりが持てると、ストレスにも強くなります。
会話やスキンシップからの精神的安定効果も大きいでしょう。
安眠効果
自律神経のバランスが改善されることで、その乱れから来る、寝つきが悪い・眠りが浅い・寝ても疲れが残るなどの、不眠や睡眠障害が解消されて安眠できるようになります。
参考元:あさひ鍼灸院、腰痛持ちの理学療法士、ログフィットネス、EPARK
発達障害とマッサージ
マッサージの健康効果を発達障害に効果的に応用するには、どうしたら良いのでしょうか?コツや注意点などがあるのでしょうか?
専門的には障害の症状に合わせて施術計画を立て、アプローチや手法の選択、最終的にどこまでにするのかなどの道筋や目標を決めたりしますが、ここでは、考え方は専門的な部分も参考にしつつ、自宅でもできる方法をご紹介しましょう。
考え方:感覚の分類
マッサージが身体からのアプローチなので、入り口となる体の感覚を分類すると、それは五感と二覚になります。
五感は文字通りの、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚の5つですが、あまり聞き慣れ無い二覚とは、固有受容覚と前庭感覚です。五感は言語的コミュニケーション、二覚は非言語コミュニケーションと言われます。
前庭感覚とは
耳の中にある三半規管と耳石器で感じる、身体の傾きと揺れ・回転・重力・加速などのバランスと動きを認識する感覚を指します。
乗り物酔いは、この感覚が影響しています。片足立ちでバランスを取る時もこの感覚を使っています。
固有受容覚とは
身体の状態をイメージする感覚で、各関節の曲がりや位置を感知して、姿勢の状態や各部の筋肉にかかっている力などを脳に伝えます。手足が見なくても意のまま動かせたり、ポケットの中の物を探り、何なのか認識するのも、この感覚です。
また、情動面では、気持ちを落ち着ける、鎮静効果があります。興奮した時に机をたたいたり歯をくいしばったりして、落ち着きを取り戻すことがありますが、筋肉を使うと気持ちが収まる効果があります。
発達障害児が、気持ちが乱れた時にする、自分をたたいたり、頭をぶつけたりする自傷行為は、この筋肉感覚によって自分を慰めているのかも知れません。
感覚の統合
発達障害は、これらの感覚が敏感過ぎたり逆に鈍麻だったり、バランスが崩れていたりします。全ての感覚を上手く取りまとめることを感覚統合と言います。
五感の方が優位になると二覚が失われやすくなるので、二覚の方を鍛えるようにすると統合されやすくなります。自然の中に行くと、より統合され易くなると言われています。
マッサージは、身体を通して脳にも刺激を与えることになるので、感覚統合を整える上で効果があると考えられます。自立神経のバランスを整え、リラックス効果でストレスと疲労を解消することも加えて、発達障害の症状にも良い改善効果が期待できるでしょう。
実例
マッサージを施し、症状の改善が見られた体験談のブログをご紹介します。
参考元:幹鍼灸院、ruralretreat
様々な手法
部位からのアプローチ
発達障害児の中には、身体に触れられるのを嫌がる子もいます。触覚過敏だったり単なる嫌悪感や恐怖心だったりしますが、聞いて確認してみて抵抗のない部位から徐々に感覚を慣らしましょう。
心地良いことと認識させてから範囲を広げることが必要です。素肌に触れる場合は、手を温めてから行うなどの気遣いも大切です。
頭部・顔
自分でも簡単に出来て、効果も確認しやすいので、最初に行うのには良いでしょう。そして意外と、こっていたりします。
全体をつかむように指先で刺激します。頭は、頭頂部から前後左右、首の後ろまで、押して痛気持ち良いならどこでも良いです。ツボを示すアプリなどを用いるのも楽しいです。
顔は、目・鼻・口の周りと、こめかみから顎のライン、耳もかつて「耳つぼダイエット」が流行ったほど効果がある部位です。指でやりやすいように押したりつまんだりして刺激します。
手・足
手は、他人が最初に触れるのに比較的抵抗のない部位です。触れ始めは手からが良いかも知れません。
手足にも全身のツボがあり、アプリも充実しています。特に足裏マッサージは有名です。
足に関しては、ふくらはぎも効果のある部位です。第二の心臓とも呼ばれ、ふくらはぎマッサージの健康法もあるほどで、マッサージがしやすいのも良い特徴です。
肩や首
肩と首は、マッサージしてあげる時のもっとも一般的な部位でしょう。叩くと緊張してしまうことが多いので、揉むのが良いです。押したりつかんだりしますが、固くて指が痛くなる場合は優しく肘を使うのも効果的です。
背筋
範囲が広く筋肉も太いので、うつぶせになれる場所が望ましいです。マッサージに慣れてからか、動画や専門書を確認してからが良いでしょう。背骨と肩甲骨の間は、よくコリがたまる場所と言われます。
腹部
沢山の臓器がある柔らかくて敏感でもある部位なので、他人に行う場合には触れる前に確認が必要です。座ってもできますが、うつ伏せになる方が効果的です。温めるのが良く、冷やさないように注意しましょう。
一般的には、「の」の字を書くようにと言われます。ゆっくり優しく押して放す動作を、位置をずらしながら行います。手のひらの温度で温めながら、ゆっくり手を揺らすだけでも効果があります。
機能からのアプローチ
リンパ
リンパはリンパ管を流れています。血管と同じように、身体中に網の目のように張り巡らされています。血液とは違い、心臓のようなポンプは無いので、流れはゆっくりです。
リンパ管の合流部は太くなり、リンパ節と呼ばれ節のようになっています。全身に約800ヶ所もあります。首の周りや脇や鼠径部に多く、腹部にも分布しています。
流れが遅い分、滞ることがあるのでマッサージで流れを促すことは効果があります。リンパには流れがあり、逆方向にマッサージすると無効または逆効果になることもあります。動画や専門書などで基礎知識を確認しましょう。
その他
世界中には様々なマッサージがあります。72種類ものマッサージ法を紹介したブログがありましたのでご紹介します。
参考元:日本フィトセラピー協会、療育ブログから(2週目、1か月)、グレーゾーン児童療育ブログ、EPARK
アロマの効果をプラス
マッサージとセットとも言えて、効果も倍増させるアロマについて、少し加えておきます。
マッサージには、素肌にオイルを塗って滑りを良くしたり、保湿効果を持たせたりする方法があります。そのオイルを、良い香りのするアロマオイルに変えたり、デフューザーやアロマキャンドルで空間に香りを満たしたりすると、マッサージとアロマの相乗効果が生まれます。
アロマだけでも、とても奥が深いものです。1冊で基本がわかる本や、アロマオイルも入門にオススメな1本をご紹介しておきますので、色々お好みで組み合わせてみてはいかがでしょうか?
放課後デイサービス アレッタの紹介
放課後デイサービス アレッタは横浜市を拠点とし、子どもたちの自立や健全な育成のために、障害児と保護者をサポートしています。
「自分の意思で行動する子」を育てようと、指導員はキッカケを与える助け手として接しながら、子供たち自らが選択し、学べる環境を提供しています。
「自分でできる」という自信を持たせ、将来に安心して暮らすことができるようになるための、創意工夫を込めたお手伝いをしていますので、是非上記リンクよりご覧ください。
まとめ
マッサージが発達障害に効果があるのか?という疑問に対して、先ずマッサージ自体の健康効果を確認してみると、心身る両面においてとても効果的なことがわかりました。
そこから、身体から脳へアプローチするマッサージが、発達障害に対しても有効であることが容易にイメージできます。
鍼灸院などが行う専門的なものから、自分でも気軽にできる簡単なものまで数多くの手法が存在します。相乗効果が確認されている、アロマテラピーとの融合も期待できます。
実例も確認できました。今からでも、マッサージを取り入れてみてはいかがでしょうか?