今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害の治し方」についてです。
「発達障害の治し方」は自分自身が発達障害を抱える人はもちろん、自分の子どもが発達障害であれば誰もが知りたいことであり、障害を治したいと心から思いますよね。
そのために薬物療法や認知行動療法、生活療法など様々な治療方法が存在しますが、今のところ「発達障害そのものを根本的に治す」治療法は確立されていません。
ですが、これらの治療をすることにより生活のしづらさを改善することができると言われており、今回はそういった治療についてご紹介していきたいと思います。
目次
発達障害の治し方はあるの!?特有の生きにくさを改善する方法とは?
現在、発達障害を根本的に治療する方法は見つかっていません。
発達障害を抱える方の中には「障害があるから他の人と同じように生活できない…」と諦めていることはありまんか?
発達障害によって症状・特徴は本当に人それぞれですが、共通して苦手とすることや習慣、困り事などもあると思います。
こういった問題は意識したり訓練することによって改善が見込める可能性があるのをご存じでしょうか?
また、何も他の人と同じように生活する必要はなく、自分自身が少しでも「ストレスのない生活を送る」「生きづらさを感じない」ことが大切であり、そのためにできることがあるのです。
発達障害の治し方代表「心理療法」
十人十色という言葉があるように発達障害と言ってもその症状や問題はその人によってそれぞれ違います。ですので、個人個人が抱える課題や修正したら良い点を考えるために医師や臨床心理士と面接をしたり心理検査などを行っていく必要があります。
そこで明らかになった課題をクリアするためのアプローチ方法がありますので、ご紹介してきます。
認知行動療法でストレスを溜めにくい習慣・思考を身に着ける
認知行動療法ではその人のこれまでの経験の中で身に着けてきたクセや習慣、考え方などの偏りを明確にして、自分が持つ特有の認知・行動パターンを整えたり修正することを目的としています。
人によって同じ出来事でもそれに対する考え方や捉え方は当然違ってきてそれによりその先の行動もバラバラです。
ある出来事に対する捉え方や考え方がネガティブであれば、気分は落ち込みやすく自分で勝手に余計な不安を作り出してしまう要因にもなりますよね。
子どもでもできる認知行動療法
子どもであればどんな状況や環境・刺激で問題行動が起こるのか「条件」を分析し環境を整えたり、周囲の大人はその問題行動をなくすために子どもにどう伝えたら効果的なのかを考えるのも大切。
例えば、問題行動をして一方的に怒られてばかりではその子も自分の何が悪かったのかわからないし、いじけてしまうだけになることもあります。
反対にその問題行動をしなかったときにうんとと褒めてあげれば子どもは喜び気持ちよくなり、自然と問題行動をしない習慣が身に付くはずです。
ソーシャルスキルトレーニング(SST)でで苦手な集団生活を克服
集団行動を苦手とする発達障害では、社会や学校の中でも他人と接触したり行動することが難しくそこにいるだけでも生きにくいと感じてしまうことがあります。
ですが、学校や社会での集団生活をすべて避けることはできませんよね。
このソーシャルスキルは日本語で社会技能と言います。ソーシャルスキルをトレーニングすることによってコミュニケーション技能を身に着けたり向上させ集団生活をしやすくする目的があります。
ソーシャルスキルトレーニングの指導・訓練内容
- ある集団に参加する
- 社会の中にあるそれぞれの集団間でのルールはどんなものがあるのかを理解する(家族間・友達間・学校など)
- 言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションの学習
- 様々な場面や状況を理解する
- 仲間づくりの方法
- 自分のことを理解する(自分の感情や状況、得意・不得意、好きなことなど)
- セルフコントロール方法
- 他人のことを理解する(他人の気持ちの理解)
- ストレス発散方法やリラックス方法
アンガーマネジメントで怒りと上手に付き合おう
アンガーマネジメントとはその名の通り「怒り」の感情を自分でコントロールできるようにすることです。
「怒り」は発達障害に関係なく誰もが持つ感情であり、怒りの感情により自分自身が疲弊したり嫌な思いをすることがあるはずです。
衝動性や攻撃的な特徴を持つADHDでは特に「怒り」を感じやすく、このアンガーマネジメントを身に着けることはストレスフルな生活から自分を守るのに効果的。
まず自分がどんなことで怒りやすいのかを知り、その原因をなるべく避けるようにします。また、怒りを感じたとしても怒りを鎮めやすい方法を知ることも大切です。
疲れがたまっているときは余計に怒りっぽかったり気持ちのコントロールが難しいため、疲れがたまらない生活、早寝早起きを心がけましょう。
マインドフルネスでストレスを軽減しよう
マインドフルネスとは瞑想のようなもので、以下のような説明がされることがあります。
「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」
引用元:Wikipedia マインドフルネス
簡単に誰でもできるマインドフルネスの方法とは?
方法はいくつかありますが、簡単にできるやり方では①姿勢を正す②呼吸を整えるだけでも十分です。
立っていても座った状態でも構わないのでまずは姿勢を正して、次に呼吸に集中して空気がのどを通る感覚や空気で肺が膨らむ感覚をイメージしても良いでしょう。
難しければ目を軽く閉じてとにかく指先に意識を集中するようにしたりして、そのことに集中しているときは、他の物事は一切考えないようにすることが大切です。
発達障害児に大切な治し方「療育」とは?
日本では乳幼児健診の制度がしっかりとしているおかげで、早い段階で子どに発達障害の有無やその疑いがあることがわかるようになっています。
もちろんそれでも発達障害の診断は難しく「グレーゾーン」という言葉があるくらいですが、障害の重症度に関わらず早期からできる「療育」についてご紹介します。
発達障害児はとにかく規則正しい生活を!
子どもが持つ優れた修正能力や代償性(障害をカバーしようとする力)を高めるために、しつけや指導などのどんなものよりも優先して「規則正しい生活」を送ることが重要です。
早寝早起きをして、ご飯をしっかり食べて、遊びを通して運動することは決して特別なことではありませんが、この生活リズムを整えるだけでも発達障害に関連する行動が落ち着くという結果があります。
親子の関係を良好に!愛情をたくさん注いで育てよう!
規則正しい健康的な生活とは単に体が元気であるだけはありません。精神面でも常に安定している必要があり、そこには親との愛着形成が大きく関係しています。
発達障害児を持つ親はその子の独特な考えやクセ・行動など、他の一般的な子と違うだけでも戸惑いどう接するとよいのかわからないこともあると思います。
ですが、そんな時でも子どもから距離を置こうとしたり一方的にしかりつけるだけでなく、子どものペースに寄り添いながら愛情を伝えていくことが、安心感につながり子どもも落ち着くことができます。
発達障害の治し方「薬物療法」はどんな時に必要?
基本的に発達障害では薬を飲めば障害そのものが治ったり、症状がなくなるというわけではありません。
しかし、発達障害により生じる問題行動によって生活に支障がある場合、二次的障害や行動がある場合に薬物治療が必要となってくることがあります。
発達障害による問題行動や二次的障害とは?
発達障害では興奮、多動性、不注意、不安、イライラ、緊張、てんかん、不眠、うつ状態など様々な症状があり、これらの症状から起こってしまうことを発達障害からなる問題行動や二次的障害と言います。
例えば不安障害やひきこもり、対人恐怖症、心身症などで、普通の人からは理解しにくい症状や特徴を持つことにより疎外感を感じてしまうことも原因と言えるでしょう。
発達障害を抱える人は私たち以上にストレスを感じていたり緊張状態のなかで生活をしています。そういったストレスや過緊張によって、イライラしたり興奮しやすく攻撃的になってしまうこともあります。
こういった問題に対し、「抗精神病薬」「睡眠薬」「抗不安薬」「抗うつ薬」「てんかん薬」などが検討されます。
また、近年ADHDに効果的で注目されている薬がコンサータ・ストラテラ・インチュニブです。
ADHDの原因の一説とされているノルアドレナリンやドーパミンなどの脳内神経伝達物質のバランスを整える作用があります。
やはりADHDを完治することはできませんが特徴的な症状である「多動性」「衝動性」「不注意」を改善する効果があるとされています。
まとめ
最初にお話しした通り、発達障害を根本的に治すことは残念ながら今の医学ではまだ見つかっていません。
しかし、「発達障害があっても生きにくさを感じないためにはどうしたら良いのか?」を考え、実際にそういった研究や取り組みがされているこがよくわかりますね。
障害を克服することは決して簡単なことではなく、こういった治療を受けたからと言って抱えている問題が完全に解決できるわけではないかもしれません。
それでも、現代社会では発達障害への意識は確実に変わり始めており、一緒に悩み協力してくれる人や施設・機関などは増えています。
放課後等デイサービス・アレッタもその一つで、主に発達障害や身体障害を抱える子どもさんが対象となっています。
ご両親にとっては発達障害に関する様々な悩みも共有したり相談できる場所となっていますので、少しでも気になることがあれば遠慮なくお気軽にご相談ください。