今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害の兄弟」についてです。
小さい頃は一人っ子が羨ましかったです。なんでも独り占めできていいなって思ってました。
兄弟がいるとお菓子を取り合って、おもちゃを取り合って、ゲームの順番を取り合って、お母さんの隣を取り合って(取り合ってばっかり)、毎日だれかが泣いていました。
でも兄弟がいるからこそ、一人ではできないことも出来ました。鬼ごっこをしたり、トランプで遊んだり。お留守番も1人ではさみしいけれど兄弟がいたら平気だったり、初めての所に行くのも兄弟が一緒だと頑張って行けたり。
発達障害の兄弟がいると何が違ってくるのでしょうか?
目次
発達障害の兄弟がいるということ
発達障害の特性 ー空気を読めないー
個人差があり一概にはいえませんが、発達障害の場合空気を読んだり他の人に合わせたりすることは苦手です。
そのため自分が我慢したり、譲ったりすることが必然的に多くなります。おもちゃで遊んでいたら横から取っていったり、ブランコにのったら順番待ちの列ができても気にせず遊んでいたり。
自分の友達を家に呼んで一緒に遊びたいと思っても難しく感じるかもしれません。子供らしくしたくても、大人のよう空気を読んでしまうのです。
発達障害の特性 -癇癪ー
発達障害の兄弟が癇癪を起すタイプの場合は、さらに我慢をすることが増えるでしょう。
何が気に入らないのか、怒りだし泣きじゃくり、周りにあるものを投げつけるという癇癪が始まったら対処するのは大変です。力を加減することも難しいので、力いっぱい叩かれたりするかもしれません。
癇癪を起さないように、また癇癪が起きた時にも気を使うことになります。もしたたかれても、グッと我慢してやり返さないようにしたり。
親の気持ちに敏感
親の方も発達障害の子供のことにどうしても手がかかってしまいます。定型発達の兄弟には「自分のことは自分でしてほしい」「発達障害の子のために協力して欲しい」と願いがちですよね。
本人も親が困っていたら「助けてあげないといけない」と子供ながらに気を遣うようになります。わがままを言わないように、泣いている親を笑わせて家の中を明るくしないといけないと感じるのですね。
自分の本当の気持ちをなかなか表現できなくなるかもしれません。
自閉症の兄弟がいる方のコメントです。
複雑な感情
兄弟のことは大好きだけど、友達から「あの子、変わってるよね?」と言われたりして傷ついているかもしれません。守ってあげたい、味方になってあげたいと思っていたのに、上手に出来なくて悲しくなったり。
兄弟だからと思っても、色んな事があり過ぎて「苦手」と思っているかもしれません。苦手だけど、お世話をしないといけないと責任感を持っていたり。
子供の心のなかに色んな感情が交差しているかもしれませんね。
親の接し方は何が正解?
発達障害の兄弟がいる場合、自分の感情をなかなか表現できない場合があるようです。精神的に成長が早く、小さな大人になってしまう感じでしょうか。
「本当はお母さんにもっと甘えたい」「兄弟の面倒を見ずに一人で自由にしたい」
愛していると伝えること
親にも時間や体力に限界があるので、すべての希望をかなえてあげることは出来ないかもしれません。でも、その子のためだけに時間を使ってあげることは大切なようですね。
「自分も愛されている。大事にされている。」と感じることは、誰にとっても必要なことです。
お母さんお父さんを独り占めできる時間を作ってあげられるといいですね。そのために、さまざまなサービスを利用しましょう。
放課後デイに行っている間に、一緒にお菓子を食べたり、お母さんと2人だけでお出かけしたり。しっかりハグしてあげたり、特別なことはできなくても「あなたのことが大好きよ。大切よ。」という気持ちを伝えてあげましょう。
放課後等デイサービス・アレッタでは、心身に障害のある小学校1年生〜高校3年生までの児童を対象にサービスを行っています。さまざな疑問に答えるトピックも準備しています。ぜひご利用ください。
しない方がいいこと
どうしてもしっかりしているので頼ってしまいがちですが、頼りきらないようにしましょう。
「いつも助けてくれてありがとう」「1人でも出来るよね。えらいね。」
褒めて感謝しているつもりが、子供にプレッシャーを与えているかもしれません。「ありがとう」と伝えることは大切ですが、バランスが大切なようですね。
兄弟が発達障害だといつ伝えたらいい?
どのタイミングで「あなたの兄弟は発達障害なのよ」と伝えたらいいのか、悩みますよね。可能なら、出来ない事や苦手なことは早めに教えてあげましょう。
子供は大人が思っているより、色んなことを理解できます。ただ、思い込むこともあるので、正確に分かりやすく教えてあげましょう。
「発達障害」や「自閉症」「ADHD」といった病名は、小さい子供には難しいかもしれませんが、生まれつきの病気があるという事は伝えられるかもしれません。
発達障害は誰が悪いわけでもなく、「脳」が問題なのですから。
少し大きくなってきたら、診断名を教えてあげてもいいかもしれません。正確に理解すれば不安はなくなります。どう接したらいいのか、友達に兄弟のことをどのように説明したらよいのかが分かります。
いいことってあるの?
発達障害の兄弟がいること、それは大変なことが多いでしょう。
でも、発達障害の兄弟がいることでプラスになる事もあると思います。
- 弱い立場の人を思いやれるようになること
- 我慢しないといけない時があることを学ぶこと
- 周囲に気を配れるようになること
- 出来ないことをさりげなくフォローしてあげられるようになること
- 発達障害の家族がいるとはどういうことか理解できるようになること
- 皆と違ってもいいということを学べること
他にもあるかもしれませんが、ここにあげた例だけでもとっても素敵なことではないでしょうか?出来ない大人も多い中、子供のころから培えるってすごい事ですよね。
「発達障害」と診断される人が増えてきている今、相手を理解してあげようと思えることが必要ではないでしょうか。
発達障害だけではありません。いろんなバックグランドのある人と接する際に理解しようとする姿勢は、欠かせない事です。
兄弟とも発達障害の場合は?
発達障害は生まれつきの「脳」が原因だと言われています。遺伝子が関係しているのなら、兄弟のうち何人かが発達障害と診断される可能性もあるということですよね。
実際、周りにも3人兄弟で2人は発達障害という方もいらっしゃいます。でも、100%遺伝するわけでもないようです。
発達障害は個人差がとても大きいのが特徴です。同じADHDと診断されても、得意なことや苦手のことには差があります。
それぞれに合わせて生活するのは、本当に大変ですよね。とりあえず目の前のことに精一杯、になりますよね。1日1日、こなしていきましょう。
無事に終わった日も、ちょっとまいっちゃった日も。
お母さんお父さんの息抜きの時間も作れるといいですね。
きょうだい児支援について
発達障害の兄弟がいるこどもを「きょうだい児」と呼ぶそうです。同じ境遇の人にしか分からない事、話せない事ってありますよね。
「自分ばっかり我慢しないといけない」「お母さんは自分のことをかまってくれない」「自分がしっかりしないといけない」「将来自分が兄弟の面倒を見ないといけないのかしら?」
成長するにしたがって、さまざまな気持ちや疑問を持つようになるでしょう。誰にも本心を言えないままだと、いつか限界がきます。
実際に精神的にきつくなり、病気を発症してしまうケースも見られます。そうならないためにも、相談できる環境を作ってあげましょう。親が話を聞いてあげられるといいですが、その余裕がない場合もありますよね。
各地に支援の場があるようです。上手に利用しましょう。1人で抱え込まないで、子供が相談できる場を探してあげましょう。
お近くにもありますか?
まとめ
子供を1人育てるのには、すごい体力・気力が必要です。発達障害という強烈な「個性」がある子供がいると、さらに大変になるのは当然ですよね。
兄弟に発達障害の子供がいると、「普通」が「普通」ではなくなります。兄弟間での教え方、叱り方が異なってくるからです。
でも兄弟がいることで学べることって沢山ありますよね。社会性を身に着ける絶好の場所だと考えて、ルールを守れるように一緒に教えてあげましょう。
兄弟それぞれが笑顔で毎日を過ごせますように。
ご拝読いただきありがとうございました。