今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所となることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「偏食」についてです。食事は毎食、色んなものを美味しく楽しく食べたいものですね。お休みになるとついつい食べ過ぎちゃって太ってしまい、体重計とにらめっこ。去年の服が入らない。
もし友達から「うどんが好きだから毎日これね」と言われたらどう思いますか?うどんは確かに美味しいです。2・3日は付き合えるかもしれませんが、それ以上になると心配になってきますよね。この人、こんなに偏食で大丈夫?って。
でも「毎食同じのじゃなきゃダメ」って思う方もいらっしゃるんですよね。どういうことでしょうか?
目次
これって偏食ですか? わがままですか?
誰にでも好きな料理や味付けがあり、苦手な食材の1つや2つはあるものです。私は生の玉ねぎと鯨が無理です。生玉ねぎは気持ち悪くなっちゃうし(犬と同じです)、鯨は単純に嫌いです。でも。どこまでが好き嫌いで、どこからが問題となる偏食なのでしょうか?
いろんな辞書の説明によると。特定のものを特別に好んでそればかり食べる、特別に嫌って食べないこととあります。また、生きていくために必要な栄養素が極端に足りない状態という説明もありました。単なる好き嫌い、わがままの域を超えて生命の維持に影響する状態ということでしょうか。
病気にかかりやすくなり、体の成長に影響が出たりする程度になると「極度の偏食」といえるのかもしれません。
発達障害の方の多くは強いこだわりを持っています。
発達障害の特徴として「強いこだわり」があります。こだわりというと、一流のスポーツ選手がするコメントを思い出します。
「大事な勝負前にはいつも必ず食べるものがあります」それは「以前それを食べた後結果が良かった」という成功体験があるからでしょう。それ以外のものを食べたらどうなるか分からない、ダメかもしれないと思うと不安になる」だから食べないということになるのでしょう。
発達障害の方にとっては、毎日がいわば“大事な勝負前”のようなイメージかもしれません。
「知らない食べ物はこわい」と不安に感じることが、知っている同じものしか食べないという強いこだわりにつながっていきます。また「牛乳を飲んだらお腹が痛くなった」という話をどこかで聞いて、「自分も牛乳を飲むとお腹が痛くなるかもしれない」と思い飲まないというケースもあるようです。
こだわりとは、不安を解消するための自衛手段といえるのかもしれませんね。
どんなこだわりがあるの?
- 味が好き
- 色が好き
- 食感が好き
- 食べたことが無いものは食べない
- お腹を壊した人がいると聞いたから食べない
- 誰が作ったのか分からないから食べない
- 何が入っているのか分からないから食べない 等
発達障害の特徴には感覚過敏もあります。
もう一つの要因として、感覚過敏もあげられています。人間には生活を豊かにする五感があります。いい匂いにつられてお店に入ってしまった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。
その感覚が極端に過敏になると、それは生活に支障を与えてしまいます。
感覚過敏とは?
揚げたてのコロッケを前にした場合に「サクサクで美味しそう!」と感じる人がほとんどでしょう。でも同じものを見て、「トゲトゲしていて口の中に刺さりそう」と感じる人もいるということです。
発達障害の方には、後者のように感じる感覚過敏の方が多くみられるようです。他にも、「牛乳のにおいが嫌だ」とか「いろんな味が混ざっていると嫌い」といった感じ方をする場合もあります。
チャーハンの具を別々に食べるという人も、もしかしたら感覚過敏かもしれませんね。
例えば?
- いちごの種が怖い
- コロッケの衣が痛い
- 辛い物は痛い
- 噛んでいる時の音が大きく聞こえて不快
- 食器の感覚が嫌い 等
偏食は治せるものなのでしょうか?
原因は人によって異なるので、オールマイティな方法はないでしょう。しかし偏食の原因が分かれば、改善する方法が見えてくるかもしれません。原因になっている不安を解消することによって、食べられるようになるケースもあります。
具体的にはどうしたらいいのでしょうか?知らないから怖いと思っているのであれば、その食べ物の名前や色、味や食感、どんな栄養があるのか説明することが助けになるかもしれません。すでに食べられるものに例えることも出来るかもしれません。
感覚過敏が原因であれば、何をどう不快に感じるところを観察し、改善する方法を探してみましょう。
何が不安なのか、何を敏感に感じているのか。まずはその原因に気づくことが第一歩になるでしょう。
強いこだわりには?
- 食べたことが無いものは食べない
→名前・種類・味等を写真や話で説明する - お腹を壊した人がいると聞いたから食べない
→飲んでもお腹壊してないよと伝える - 誰が作ったのか分からないから食べない
→作っているところをみてもらう - 何が入っているのか分からないから食べない
→入っている材料を伝える
感覚過敏には?
- 見た目が無理・噛んだ時の音が無理
→調理方法を変えてみる - 食器の感覚が嫌い
→平気な素材を探してみる
頑張り過ぎないで!
「周りの子と比べて成長が遅い」「食べさせてないんじゃないかと思われたら困る」って心配になりますよね。でも無理はさせないようにしましょう。給食の時間、最後まで残って独りで食べていたあの子。絶対楽しい思い出はありません。
チャレンジした時には出来るだけ褒めて、成功体験を重ねて少しずつです。人は褒められた時、脳からドーパミンが出て「もっとやってみよう!」と前向きになるようです。出来ていないこと、努力していないことを褒めてもダメです。頑張って努力したところを褒めてあげましょう。出来たところをどんどん褒めて、脳を刺激していきましょう。
まとめ
「イチゴが気持ち悪い」と思うこと「コロッケが痛そう」と感じること。それはその人にとっての真実です。まずはそう感じることを認め、理解しようとする姿勢が大切なのだと思います。
うどんも美味しいですが、世の中にはほかにも美味しいものがたくさんあります。でも全てを食べなくても生きていけます。できるだけ、毎回楽しく美味しくお食事できますように。
ご拝読ありがとうございました。