今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは、「発達障害児と親ストレス」についてです。
お子さんを持つ親御さんは、日々子育てに奮闘されています。子どもは親の思うようにはなかなか動いてはくれませんよね。子どもに振り回されている間に一日が終わってしまう、ということは日常茶飯事です。
ただ発達障害児のお子さんをもつ親御さんのストレスは、一般の家庭よりも大きいのが事実なようです。
なぜ発達障害児を持つ親のストレスは、大きくなってしまうのでしょうか?
どうしたら日々ストレスを抱えず、また解消しながら生活できるのでしょうか?
一緒に考えていきましょう。
目次
発達障害児の親のストレスはなぜ大きいの?
発達障害児を持つ親のストレスは、一般のお子さんを持つ親御さんよりも大きいという声をよく聞きます。どんなことにストレスを抱えているのでしょうか?
発達障害のお子さんは、「育てにくいと感じてしまう」という、という声を親御さんから聞くことが多くあります。
親がストレスを感じる子どもの気質
同じ親の子どもでも、その子その子で性格や気質はちがいます。その子しか持っていない良さが沢山あるのですが、場合によって親にとっては大変、育てずらいと感じてしまうこともあります。
親御さんにとって、ストレスを感じやすい子どもの気質はどんなものでしょうか。
多動で動きが激しい
動きの激しい子の親御さんは、子どもから目を離すことができません。公園で元気に走り回っていると思っていたら、急に車道に飛び出しそうになったり、レストランに入れば走り回ってしまったり。
家の中でも気を抜くことができなかったりと、見ている親は毎日のことで疲れてしまいます。
だめだめと注意しても、多動があるお子さんは体が動いてしまい言う事を聞いてくれません。安全な広い場所で遊ばせる、家の中では子どもの手の届くところに危ないものをおかないなど、なるべく子どもも親も安心して過ごせる空間にいる時間を長くしましょう。
癇癪をおこしやすい
すぐに泣いたり怒ったりするのが子どもの特徴ですが、その頻度が多かったり癇癪を起こしてどうやっても泣き止まなかったりすると、親はストレスを強く感じます。泣きわめく子どもを何とかしようとなだめたり、厳しく叱ったりと手を変え品を変えでやっと泣きやむと、どっと疲れが押し寄せます。
特に外で癇癪を起こすと、周りの目が気になりどうしたらいいものかと途方にくれてしまうこともあります。
癇癪を起こしてしまったら、あせらず見守りましょう。何が嫌なのかどうしたいのか、怒らずに優しく話を聞いてあげるようにしましょう。癇癪は子どもが納得するところで収まりますよ。
こだわりが強い
子どもが一つのことにこだわって、なかなか次のことに移れないというのは親にとってストレスになることが多いです。
支度をして出かける時になって、お気に入りのおもちゃがないといって探しまわり、見つかるまででかけられない・・なんてことがあると親はイライラしてしまいますね。
また急な変更が苦手で、気持ちを切り替えられなくていつまでもこだわったり、嫌だ嫌だと主張し続けたり・・ということも親はストレスを感じる原因になったりします。
こだわりが強いというころは、強い意志を持っているという良さもあります。いつか大きなことを成し遂げる原動力にもなります。
ストレスが溜まるとどうなる?
毎日溜まっていくイライラやストレス。適度に解消できればいいのですが、溜まりすぎると、身体に不調をきたすことにもなりかねません。
ストレスを過度に感じると、脳の視床下部が反応しホルモンがいつもより多量に分泌されます。それにより、心拍数や血圧が上がったり、自律神経の乱れも引き起こしてしまいます。
実際にどんな症状がでてくるのでしょうか。
精神面の不調
ストレスを感じるとイライラし、その後気分が沈んだり元気がない状態が続いてしまうことも。不安を感じたり、他者への興味や関心が低下することもあります。
不眠症になってしまい、寝たいのに寝られない状態が続いてしまうことは、身体にとって大きな負担になります。
うつ症状やうつ病を発症してしまうことになったら、日常生活にも支障をきたすことになってしまい、本人はもちろん家族にとっても大変ですね。
身体面の不調
片頭痛が起きたり、肩こり・腰の痛み、動悸がする、胃が痛くなったり下痢になったり、人によって症状は異なりますが、様々な身体の不調を引き越します。
突発性難聴や過換気症候群、メニエール病などストレスが引き金になる、特有の病気もあります。
こんなにも様々な症状を引き起こしてしまうなんて、ストレスを甘くみてはいけないですね。
ストレスをためないようにする為に
ストレスを感じてしまうことは、誰にでもあることです。ストレスを感じないように生活することの方が難しいでしょう。でもそのストレスを溜めたままでは身体によくありません。
ストレスをどう軽減していくかが、気持ちよく健康に生活するポイントです。
子どもとの向き合い方を変えてみよう
毎日の生活の中で、皆さんはお子さんとどんな風に向き合っているでしょうか。
「いつも早くしなさいとばかり言ってしまいます」
「悪いところばかり目について、毎日怒ってしまうんです」
こんな風に言っている親御さんが多いのではありませんか。子どもをきちんと育てなければと力が入ったり、子どものことを心配に思うあまり怒ったりイライラしたりするのは、どの家庭にも言えることだと思います。
でも毎日毎日イライラして怒っていても、うまく物事は進みません。
ストレスは1日1日の積み重ねです。子どもとの向き合い方を少し変えてみると、自分自身の気持ちにも変化が起きますよ。
時間と心に余裕をもつ
子どもに一番にストレスを感じてしまう時はどんな時でしょうか。
- 予定していた時間に間に合わなくなる
- やらないといけない事があるのに、事が進まない
- 子どものワガママに我慢できなくなる
これは一例ですが、子育てをていると日々忙しくてやらなければいけない事は沢山ある中で、子どもに手がかかったり、予定していたことが思うように進まなかったりすることは、親はストレスを感じる原因となるでしょう。
一番の解決策は、まず時間に余裕を持つこと。子どもは大人の時間配分とは違うところで生きています。なので親があと10分で出発しようと思ったところで、その通りに動いてくれるわけではありません。
そして心に余裕を持つこともとても大事。あれもやってこれもやってと色々と抱え込んでしまうと、予定通りに進まなくなった時に、ストレスを感じてしまうことに。
できなくてもいいやとどっしり構えましょう。これが一番難しいと思うかもしれませんが、考え方一つで気持ちも変わります。
子どもの悩みを共有する
イライラする気持ちを一人で抱え込むことは、なんの解決にもなりません。悩みを話せる人を持ちましょう。パートナー、親、友達、気持ちを分かってくれそうだと思う人に話を聞いてもらいましょう。
人に話すということは、ストレス発散に効果的です。
子どもが学生であれば、スクールカウンセラーに相談してみましょう。家と学校で見せる様子は違う面もあるので、子どもの新たな発見につながるかもしれません。
ゆったりとした時間を過ごす
子どもといる毎日はとても忙しく、休んでいる暇もないかもしれません。しかしその中でもゆったりとした時間を持つといくことは、ストレスをためない為にも大切です。
子どもが寝た後にほっとしたのもつかの間、色々と家事が溜まっていて作業してあっという間に寝る時間、という毎日。
そんな中でもボーっと好きなDVDを見たり音楽を聴いてみましょう。ほんの少しでも自分のための時間を持つことは、ストレスの軽減になります。
休息の時間をちゃんととりたい、とう方には一時預かりがあるデイサービスにみてもらうという方法もあります。
子どもと1対1で向き合っている時間が長いと、イライラが募ったり悪い面ばかりをクローズアップして考えがちです。色々な人に子どもをみてもらうことで、新たな可能性が生まれることもあります。
さらに一時的な休息も出来ますので、負担軽減にも繋がるでしょう。
溜まったストレスは解消しよう
ストレスが溜まっていないと感じる人でも、知らず知らずのうちに溜まってしまうのがストレスの怖いところです。でもそんなストレスも少しの工夫があれば、溜めずにいられます。
適度な運動をする
身体を動かすことは、ストレス解消にとても効果的です。運動は幸せホルモンのセロトニンの分泌を促すことができるのです。特にリズムを刻む運動はその効果が高いです。
親御さんは洗濯や掃除をしたり、身体を動かしていることも多いのですが、運動は別物です。家の中でストレッチをしたり、短い時間でもジョギングをすることも効果があります。
子どもの相手をしてると疲れてしまい、自分の運動なんて・・と思いがちですがやってみると不思議と身体が軽くなっていきます。そして身体を動かすことが楽しくなっていきますよ。
お子さんと一緒に、公園で走ったり、家の中で踊ってみるのもいいかもしれませんね。
美味しいもの、身体によいものを食べる
身体にとって大切なのは食べ物。ストレスにももちろん食べ物の効果は大きいです。ストレスを感じた時に、甘いものやお酒をとると一時的にストレスが軽減したように感じますが、採りすぎると身体によくありません。
ストレスを感じると消耗しやすい栄養があり、それを補うことが大切です。日々気を付けて採り入れるようにしましょう。
- 肉類、特に豚肉やレバーはビタミンB・C群を含んでいて効果大
- 魚介類、特にかつお、さば、うなぎはビタミンB・C群が多い
- ブロッコリ、小松菜、ピーマン、じゃがいも、キウイ、かんきつ類はビタミンCが多い
- 牛乳、乳製品は動物性たんぱく質やカルシウムを多く含む
- ほうれん草、小松菜、かぼちゃ、ブロッコリー、人参、春菊はB-カロテンが多い
- 豆腐、切り干し大根、ひじき、小魚はカルシウム満点
- 納豆、牡蠣、ほうれん草、ホタテ貝、枝豆、ピーナッツ、ごま、アーモンドはマグネシウムが多い
子育てで大変な中、手っ取り早く栄養を補いたいのが主婦の本音。3食しっかり食べるのは大切ですが、朝ごはんの一品に、牛乳やヨーグルト、果物や野菜を入れてスムージーなんていかがでしょうか。
手軽に栄養がとれて子どもも喜びますよ。
大きな声を出す
声を出すことは、身体のストレスを和らげる効果があります。お腹から大きな声を出すと、血の巡りがよくなり心もすっきりとしてきます。
叫ぶということもお勧めのストレス発散方法です。大声を出すことで深い呼吸ができるようになり、ストレスをたまりにくくする効果が出ます。血行も良くなり身体が温まり、免疫力を上げることも。
ただ大きな声を出しても面白くないので、楽しみながらストレス発散したいですよね。
- カラオケをする→子どもと一緒にいくのもいいですし、わざわざ行くのが大変な場合は、カラオケアプリやゲームアプリでもカラオケが楽しめます。
- 車の中で大きな声を出したり、歌ったりする→車では防音効果が高いので、ドライブしながら声を出すのもいいですよ。
- スポーツ観戦やコンサートにいく→好きなスポーツやお気に入りのアーティストがいたら、ぜひおすすめしたいストレス発散方法です。大声で応援したり歌ったり、心も体もスッキリします。
自分にぴったり合う方法で、声を出してみましょう。
笑ったり泣いたり、感情を表現する
人は「笑う」という事をするだけで、免疫がアップし緊張がほぐれます。笑うことで血行を促進し、筋肉の緊張を緩める効果があるのです。その結果ストレスを軽減します。たとえ作り笑いや無理に笑うというのでも良いのです。
子どもが心配なゆえに注意したり、怒ってしまうことは日々あると思います。子どものしつけはもちろん大事ですが、親子で笑うことはもっと大切です。
また反対に「泣く」こともストレス解消に効果的です。涙を流すことでデトックス効果が働き、リラックスすることができます。泣くとスッキリすると感じるのは、心の中にたまっているものが外に排出するからでしょう。
辛いと感じたりイライラが溜まっている時は、我慢ばかりしないで、時には思いっきり泣くほうストレス解消になりますよ。
まとめ
発達障害児を育てる親のストレスとその原因、解消方法について紹介しました。
子どもを育てていると、親の思い通りや理想通りにはいかないことが多く、自分のやり方でやろうとすればするほど、ストレスが溜まる原因になります。時にはあきらめたり、他のやり方を試してみるのもいいかもしれませんね。
ストレスが溜まってしまう前に、自分のやりやすい方法で少しずつ発散してみましょう。
スッと心がほどけたら、またお子さんと笑顔で向き合えますよ。