今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害と体温調節」についてです。
「冬生まれは寒さに強い」って聞いたことありませんか?
昔は子供が生まれたあと、唇が紫になるまで放置してから温めていたという話を聞きました。赤ちゃんの時の「寒い」って感じる感覚が大事なんでしょうか。
今は体温調節が苦手な人が増えているようです。どの季節でもエアコンで快適温度に設定していることが一因とも言われています。
また、発達障害の特徴として「体温調節が苦手」だと言われています。本当のところはどうなんでしょうか?なにか対策はあるのでしょうか?
この記事では、気になる発達障害と体温調節の関係について解説して行きます。
目次
体温調節が苦手な原因とは?
発達障害の方に体温調節の苦手な方が多いのはなぜでしょうか?
それは、体温調節の指示を出すのが「脳」だからです。
発達障害は先天性による「脳」の機能障害が原因と言われています。この影響により、発達障害の特徴が体温調節を難しくしている可能性があるのです。
体温調節のしくみとは?
そもそも体温とはどの様な仕組みで調節されているのでしょう。
汗をかいたり、鳥肌になったり。
体温調節って自然に出来るものではないの?って思いますよね。
実はすごいことなんですって。
多の人の平熱って37度前後のようです。その体温が丁度いいのはなぜなのでしょうか?
それは免疫力がアップして、体が一番元気に動けるからなんです。
人間の体は動いている時に活発になる「交感神経」と、リラックスした時に優位になる「副交感神経」がバランスよく働く時に、体温調節も上手くできるようになります。そのバランスを保つのに必要なのが、自律神経です。
なぜ体は発熱するのか
平熱って人によって違いますよね。日本人は全体的に37度より低いそうです。
そもそも、なぜ人の体には温度があるのでしょうか?ってあんまり考えたことは無いですよね。
人は食事をします。その食べたものを消化して体を動かすエネルギーを作っています。その際、「熱」が発生するようです。人が生きていくために必要なエネルギー、基礎代謝とも言われますよね。
基礎代謝が高い方が食べたものを良く消化できるので、太りにくいともいいます。
その熱をつくるのは筋肉です。そして、すべての指示を出しているのが、「脳」なんですね。
筋肉と体温の関係
熱を作るのは筋肉なので、筋肉量が多い人は体温も高くなるそうです。
最近ではダイエットの為に、筋肉量を増やすという方もいらっしゃるようです。健康的に体が締まっていく感じでしょうか。
また外国からのお客さんで真冬でも半そで1枚という方、結構見かけませんか?日本人はもこもこダウンで完全防備なのに。体感温度がそんなに違うのかしら?と驚きました。
もしかしたら外国の方は日本人に比べて筋肉量が多いのかもしれませんね。
熱が上がるとは?
熱が上がると言えばインフルエンザ。あの辛さはなかなか忘れられません。先回は42度まで上がり、思わず写真を取ってしまいました。今年は予防接種したので、かからないと信じたいです。
さて、インフルエンザ等の病気になるとなぜ40度近い高熱が出るのでしょうか。それは体に入ってきたインフルエンザウイルスと体が戦っているからです。
体温を上げて、体に入ったウイルスをやっつけようと頑張っているから熱がでるんですね。体を守るための、熱なんですね。
熱が下がるとは?
夏になると勝手に汗が出てきますよね。これもなかなか自分ではコントロールできません。
自転車に乗ってる時はとっても快適なのに、自転車を降りたとたんに汗が「ドバッ」って出てくることってないですか?
汗をかかないで体の中に熱がこもっちゃうと、熱中症になってしんどくなってしまいます。毎年熱中症になって救急車で運ばれる人の事がニュースになってますよね。
体は理想的な体温、37度に保とうとして体にため込んだ熱を逃がそうとするんです。
しかし、自分で意識は出来ないですよね。汗をかきたくないって思っても、自然に出てきます。
参照:体温調節のしくみ
具体的にどんな特徴が原因となるのでしょうか?
発達障害の特徴
発達障害の方の中には、「こだわりが強い」という特徴がみられます。
- 特定の素材の服しか着たくない
- フード付きの服じゃなきゃ嫌だ
- 1年中決まった服を着ていたい
- 皮膚に触れるのが嫌だ などなど
日本には四季がありますよね。常夏の国なら1年中同じ服装でも平気かもしれませんが、日本ではどこかの季節で困ることになりますよね。
感覚が鈍感
厚さや寒さを感じる感覚が鈍感という方もいらっしゃいます。
自分の感覚としては熱くも寒くもないので服装を変えることはありません。
しかし、体は正直です。
その為体の限界が来た時に、バタッと倒れてしまうんですね。急に高熱を出したり、調子が悪くなったりして。
体温調節の対処法とは?
周りの声かけ
本人に自覚がない以上、周りが気に掛けるしかない場合もあります。
特に小さい子供のうちはそうでなくても、目の前の事しか集中できなくなります。発達障害の別の特徴、「好きな事にものすごく集中する」ということも影響しているかもしれません。
動きにくいからといってどんどん服を脱いでしまう。
→ 動いて汗をかく。
→ 汗が冷えて寒くなって熱がでる。
という結果になります。周りが少し気にかけてあげる必要があるかもしれませんね。
「熱くない?」「寒くない?」と聞くだけでは「平気」と言われてしまうかもしれません。どれくらい汗をかいているか、ちょっと観察してあげましょう。
服装に気を付ける
脱いだり着たり、調整出来るような服装をすることもできます。
服の素材に「こだわり」がある場合は、重ね着等が難しい場合もあるかもしれません。自分の着ている服でテンションは影響されますので、出来るだけ好きな素材で、好きな色で選んであげられるといいですよね。
ただ脱いだり、着たりするタイミングについては、周囲の協力が不可欠になる場合もあるでしょう。
大きくなってきたら、周りの人の服装を参考に出来るかもしれません。
自律神経を整える
体温調節機能を正しく働かせる為には、自律神経を整える事が必要だと言われています。どんな人でもストレスや、いろんな原因で自律神経が乱れると体調を崩します。
自律神経を整える、つまり刺激を与えて「脳」の働きを促す事が出来るかもしれません。
深呼吸
簡単に整える方法として、「深呼吸」が良いと言われています。呼吸を意識してする腹式呼吸を夜寝る前に行うと、体がリラックスして心地よい眠りにつける状態が見込めます。
- 仰向けになって、膝をかるく立てる
- 鼻から息をゆっくり吸って、お腹をしっかり膨らませる
- 口からゆっくり息を吐いて、お腹をペタンコにへこませる
何度か繰り返していると、体がほんのり暖かくなってきますよ。布団の上ですると、すぐに眠れていいですよね。
ネットで検索すると他にも色々見つかると思います。自分に合った方法が見つかるかもしれません。
規則正しい生活
発達障害の方の特徴として、「昼夜逆転してしまいやすい」という特徴もあります。意識して規則正しい生活を送るようにしてみましょう。
同じ時間に寝て、同じ時間に起きる。簡単そうで、なかなか難しいですよね。
でも規則正しい生活は体と脳をちゃんと休ませることが出来るので、とっても大切です。
適度な運動
発達障害の特徴の1つに、「運動が苦手」というものがあります。
エネルギーは筋肉で作るとありましたが、運動をしないと筋肉はなかなかつきませんよね。
動かないと体があまり疲れない為、夜になっても眠くならないという場合もあります。
急に激しい運動をするのは考えものですが、適度に体を動かす習慣をつけていきましょう。例えば階段を使うとか、速足で歩いてみるとか。
汗腺トレーニング
いつも同じ快適な温度の中で生活していると、汗腺の機能が低くなってしまうようです。その結果暑くても汗をかけない、つまり体温調節ができないという事になります。
そしていい汗をかけないということは、体臭が臭くなる原因にもなります!これは困りますよね。
簡単にできる汗腺トレーニングがあるみたいですよ。
辛い物を食べるというのも、アリみたいです。確かに、キムチとか韓国料理とか辛い物を食べたら汗が吹き出しますよね。
参照:気持ちよく春を迎えるために「汗腺トレーニング」しよう。
放課後等デイサービス・アレッタでは、心身に障害のある小学校1年生〜高校3年生までの児童を対象にサービスを行っています。
まとめ
ストレス社会では体温調節の苦手な人が増えているようです。
発達障害の特徴が、体温調節をさらに難しくしている場合もあるのですね。元気に活動する為に自律神経を整えて、体温調節機能を出来るだけ正常に保たせたいと思います。
- 深呼吸
- 規則正しい生活
- 適度な運動
- 汗腺トレーニング
どれも手軽に始めることが出来そうです。出来る事から始めてみましょう。
「脳」も「体」も刺激を与えれば変化してきます。人間の体って不思議ですよね。しっかり刺激を与えて、元気な毎日を送れますように。
ご拝読いただきありがとうございました。